ポーランド旅行

1月にポーランドに行ってきました。GWとか夏季連休以外でも1回は5日以上の連休を取りなさいって言う会社の制度があるので,それを言い訳にして年始早々に5連休。ま,年始早々であれば新年会ばっかりで仕事もそれほど無いだろうと踏んでの日程設定なんだけど。
で,5連休でヨーロッパってことは日程の余裕は当然無いので,目標をワルシャワ・フィルとアウシュビッツに絞って日程設定。ワルシャワ・フィルはまぁいいとしても(チケットもオンラインで買えたし),ワルシャワからアウシュビッツまで往復するとなると時間的に厳しいので,航空券は東京〜パリ〜ワルシャワクラクフミュンヘン〜東京のオープンジョーと,ワルシャワクラクフの2本立て,宿泊はワルシャワ2泊・クラクフ1泊で手配しました。
去年の冬はチェコ,今年の冬はポーランドと,なんで冬の東欧?ってよく聞かれるんだけど,①寒いのが嫌いじゃない(ってか暑いのが嫌い),②航空券・宿泊が安い,③観光客が少ない,と三拍子揃ってるので,個人的にはベストシーズン。多分今度の冬も行くと思う。

で,1日目はとりあえず全日空の777でパリまで。当日の朝荷造りをしなきゃならなかったのと,成田空港まで1時間で着くって言う心理的余裕からか,ついつい寮を出るのが遅れて空港に着くのが搭乗の1時間前。でも,オンラインチェックインと自動化ゲートのおかげで,ゲートの前には余裕を持って到着。特にこの日は出国審査が混んでたので,自動化ゲートの恩恵を実感。
パリへのフライトは順調。聞きに行く日のワルシャワ・フィルが,ベートーベンの交響曲第8番,プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番,ペルトの交響曲第4番って言う演目だったので,いろいろな指揮者のベト8を聞き比べながら,ちょっと前に買った「ジェット・エンジンの仕組み」を到着までじっくり読む。いや,文系にはちと難しい本なのよ。でも,うちの会社の看板製品だし,法務としては構造を理解しておかないと戦えないし。
パリからはLOT(全日空コードシェア)でワルシャワへ。実はエンブラエルに乗るのはこれが初めてなんだけど,言われているとおり確かに快適。2時間ちょっとのフライトだし,本読んでたらすぐに着陸だったんだけど。
到着後は疲れてたのでタクシーでホテルまで。

ジェット・エンジンの仕組み―工学から見た原理と仕組み (ブルーバックス)

ジェット・エンジンの仕組み―工学から見た原理と仕組み (ブルーバックス)


2日目はワルシャワ市内をぶらぶら。ちょっと朝寝坊してから,トラムでいろいろ回ってみる。去年のチェコと同じで,天気はいつも曇天,足下は灰色に染まった雪って状態だけど,これはこれで嫌いではない。街中を歩いてると,かなりの頻度で見かけるのがケバブの屋台or店舗。とにかく数が多く,これは結構意外。食べてみると,パンを事前にプレスしてあるので,サクサク食べられるし,フォークも付いてくるので立ったまま食べるのも楽。ただ,1個当たりのサイズが大きいから,何個もいっぺんに食べるのは厳しいかな?
午後はワルシャワ蜂起博物館で結構時間を使う。とにかく情報量が多くて館内を一周するだけでもかなりの時間がかかる。正直,自分の中で情報を再構成出来ていないので,機会があれば是非もう一回見に行きたいな。そして,18時からはワルシャワ・フィルを聴きにコンサートホールへ。いや,家を出る前に慌ててジャケットとネクタイをトランクに詰め込んでったんだけど,これが正解。観客は大部分がちゃんとした服装だし,何よりホールの雰囲気に気後れしちゃうところだった。内容については僕が言うまでのこともないとは思うんだけれども,個人的に苦手意識を持っていた現代音楽も案外いいと感じました。まさかペルト本人も聞きに来てて,演奏後にステージに上がるとは。終了後は街中をぶらぶらしたけど,結局美味しそうなレストランはなく,ホテルで夕食。ニシンの酢漬けは美味しかったけど,ビールは今ひとつ。周りがウオッカをぐいぐい飲んでるのを見て僕も3杯ばかり飲んだけど,やっぱりきつくて3杯でストップ。








3日目は朝一で空港へ。ワルシャワクラクフ行のLOTは8:25発の予定だったんだけど,いつになっても搭乗開始にならない。それもそのはずで,空港付近はターミナルから滑走路が見えないくらいの濃霧だし,アナウンスを聞いてると到着地のクラクフもそうらしい。結局2時間遅れで飛んだけど,引き返す可能性もあるって話だったので,まぁ無事に着いただけよしとしよう。機体はこれもまた初めて(国内じゃ飛んでないし)のATR72。
結局クラクフ着が昼過ぎになったので,この日のアウシュビッツはあきらめて市内観光。とりあえず駅で明日の時刻表を確認してから,クラクフでもたくさん屋台があるケバブを食べつつあちこちぶらぶら。この日は霧雨が降ってたので,メインのカメラはあまり使わずにコンデジばっかり。夕食はホテル近くのレストランにて。バーカウンターで飲んだウオッカのリンゴジュース割りが美味しかったけど,何倍も飲んだら危なそうだ…。








4日目は朝6時の列車でオシフィエンチム駅(O〓wi〓cim)に移動。もっとも,「朝早くに出る」と前の晩にフロントに伝えておいたところ,僕が朝早く(3時とか)に出て,かつ鍵を持って行っちゃったのではないかと勘違いしたフロントのおっちゃんが5時頃部屋に入ってくると言うアクシデントも発生。驚いたけれども,ホテルの女主人に平謝りに謝られてかえって困った。ま,女性客とかだったりしたらやっぱり問題になっちゃうんだろうな。
オシフィエンチムへはクラクフから電車で2時間弱。途中うつらうつらしながらも,ひどく揺れる各駅停車(Regionale)の窓際で車窓に夢中になってました。同じ雪景色でも,日本とは違う広大さと,それ故の寂しさ。自分が感じてるイメージをそのまま写真に出来ればいいんだけども,それが簡単には出来ないからこそ写真っておもしろいのかもしれない。
オシフィエンチムの駅から収容所跡まではバスで5分+徒歩15分。濃霧と霧雨の中,ちょっと迷いつつも当てずっぽうで歩いてたら着けました。ただ,こんな冬の日に,開館早々に来る人は僕だけだったようで,ほとんど無人の収容所跡の中を一人で見て回ることに。霧の中一人って言うシチュエーションと,ここが人類の歴史に残る悪夢の舞台であったという事実,そしてそれぞれのバラックの中に淡々と展示される当時の状況も相まって,暖かい服装のはずなのに何故か寒気が止まらなかったり。で,第2アウシュビッツとも呼ばれるビルケナウにも行きたかったんだけど,冬期は連絡バスがほとんど無く,飛行機の都合も有ったので断念。また来る理由として残しておこう…と負け惜しみを心の中でつぶやきつつ,また同じルートでクラクフへ。
ホロコーストについて知るのは,小3の頃に(確か子供向けの単行本で)「アンネの日記」を親に買ってもらったのが最初だと思う。小5でヨーロッパに家族旅行に行った時,アムステルダムの「隠れ家」に行ったけど,「狭かった」って言うことしかあまり覚えて無くて,それよりもその場で売ってた文春文庫の「アンネの日記」を買ってもらって,その後の旅行中読んでた記憶がある。その後,中1の時にはNHKで「映像の世紀」が放送されて,今まで活字で読んでいたことが急にリアリティを持って迫ってきて。中1って言うと95年だから,15年越しで実際に現地を見る事になったって言うのが,自分の中では結構感慨深い。




2時前にクラクフに戻ってきたら,ホテルに預けておいた荷物を回収してから空港へ。今度はルフトハンザ(運航は子会社のCityline)のCRJ900でミュンヘンへ。空港が小さいので,チェックイン・手荷物検査もあっという間に終わって,時間をもてあます。ラウンジに入れれば無線LANも使えるし,軽食もあるんだろうけど…。ミュンヘンで飛行機から降りると,日本語が使える現地職員が待機しててちょっとびっくり。この時期にクラクフミュンヘン〜成田って使う日本人はそういないと思うんだけど…空港がそうわかりにくいって事もないし。で,搭乗までの間にビールとヴァイスブルストを流し込んでから成田行の777へ。機内ではキンドル堀辰雄の「風立ちぬ」と「楡の家・菜穂子」(両方とも青空文庫のデータ)を読了。キンドルって,旅行に持ってくにはえらく便利。充電が切れることはまず無いし,3Gの電波さえあればどこでも本が買えるし,なにより長時間でも眼が疲れないし。
帰国後,トランクのハンドルが壊れる(半分しか収納できなくなる)ってアクシデントと,この後3週間週末無しの状態に陥るってオチがついたけど,ま,それも旅行のいい思い出って事で。