一周忌

 先週末、連休を使って実家に帰っていました。正確には実家に帰ったと言うよりは、実家(静岡)から車で亡父の実家(長野)に行ったんですが。香川にいる弟は試験中だったので今回は不参加です。また旧盆の時にもいろいろやるので。
 この「n周忌」って言う行事とか葬儀とかを含めた法事全般って言うのは結局、生きている人間の心に区切りを付けさせる行事だって事はよく言われている。要は「もう一年」と思わせる為の行事なんだろうけど、自分の中では「まだ一年」って言う機能も強かったりする。なんか、親父の声とか言動とかが記憶の中で風化していっているような気がするんだよね。自分が薄情なんだろうかと疑うことも有るし。
 この、薄情さって言うのは親父が危篤になった直後にも思った。前日神戸で合唱の合同演奏会があって、朝早い飛行機で東京に帰ってきたのが7月19日。その昼に電話で起こされて静岡に駆けつけたんだけど、東京駅で新幹線が無くて、30分位ホームで待たされているとき、自分が何をしたかと言えば、立ち食いそばでうどんを食べてたのね。えらく落ち着いて。最後に天かすの浮いた出汁を飲む時になって、「こんな時に何落ち着いて飯食ってるのかな」って思ったりして。
 勿論、年月を経てどんどん鮮明化していく記憶もあるんだけど。駅からタクシーで病院に駆けつけて、ベッドの親父がまず言ったのは「俺はもう駄目だ。生物学者だから自分のことは分かってる。」って言う言葉。さすがは高校の担任に「生物を取ったら何も残らない」って評された親父。とは言いつつ、親父は農学博士であって動物細胞は専門外の筈なんだが。
 で、静岡から白馬へのドライブは極めて快適でした。犬を乗せているんで、休憩時間がちと多いんですが、実質走っていた時間は4時間強。道路公団とオリンピックの恩恵を大いに受けて、気持ちよく走れました。途中一回高速のランプで前の車が急制動かけてヒヤッとしたことがあったけど、こうしたヒヤリでまた気を引き締めて走れそう。