プリント学習

 家庭教師をバイトとして結構やっているのですが、学校での授業のフォローをして欲しいって言われて教材を持って来させると大概プリントなのね。で、最近思うようになったのが「プリントをメインにした授業って学力を低下させているのでは無いか」と言うこと。

ちょっと考えてみた。

プリント学習の利点:

  1. 授業の流れがスムーズになる
  2. 生徒の理解力に関わらず、一定の理解をさせることが出来る
  3. 最初の作成に一定のリソースを費やせば、次年度以降も活用できる

欠点:

  1. 文脈単位での理解が不足する
  2. 生徒が簡単に「出来た気」になる(ある程度は良い面でもあるんだけどね)
  3. ノートを作成する能力が身に付かない

 大きな物はこれ位かな。要はセンター試験みたいなマークシート式の試験についての議論と同じなんだけどね。特に気になるのが欠点の1と3。教えてて、みんな単語はそこそこ覚えてても、それが大きなマクロ的流れの中でどういった意味を持っているかが理解できていない。だから色々な事柄を有機的に理解することが出来ない。それでも、中途半端に単語だけは覚えているから危機感がない。で、応用が全く利かないまま試験に特攻する羽目になってしまうと。
 個人的に思うのは、ノートを取る作業って自分の中で知識を再構成する作業なんだよね。板書をそのまま移しているだけなら意味無いけど、それを自分の言葉で、自分の文脈で整理していく作業って物凄く考える事を要求されるし、理解度を深める事になる。
 自分にとって幸運だったのは中学校が国立大学の附属校だったので、授業の中で考える時間を十分過ぎる位与えられたと言う事。今でもたまに話の種にするんだけど、中学校に入ってすぐの数学でまずやったのが「負の数×負の数が正の数になる理由」をクラスの全員が論文にして議論するという授業。それを二学期に入るまでやったもんだから当然学年末には「ま、あとは各自で適当に勉強しておいて」という事態になったんだけど、でも、そのおかげで何でも自分で筋道立てて説明出来るよう考える習慣が付いたんじゃないかと。
 でも、最近は「ゆとり教育」とやらで授業時間がえらく削減されてるらしいから、それもあってプリントを用いる利点の方が大きいのかな。と言うか、使わざるを得ないのか。

 なお、この駄文は教育について殆ど勉強した事もない学生が、自分の経験からのみ書いた物なので、誤っている部分や批判されるべき部分が多々あるのかも知れません。是非、そのような部分があったら教えてください。よろしくお願いします。